【マップレビュー】”めざせアメリカ50州” その前に知っておきたい”アメリカ合衆国”の基本知識【アメリカントラックシミュレーター】

アメリカントラックシミュレーターの将来的な楽しみとして、最終的にアメリカ合衆国50州(アラスカ、ハワイは怪しいですが、、、)を完全網羅した広大なオープンワールドを完成させる事があげられると思います。当サイトとしては記事50回分のネタが確保されていると思うと大変ありがたい反面、本当に50回も書けるのか不安も感じますが。

とその前に”これだけは知っておきたいアメリカ合衆国の基本知識“として、”合衆国(United States)” とはそもそもどういうものなのか、各州をとりあげていくその前にぜひご一読いただきたいのが今回の記事です。

東京都は大麻が合法!大阪府は死刑を廃止!日本合衆国はこんなことが許される?

アメリカ人は自国を名乗る際、”アメリカ”じゃなくて”US (United States)” と表す方が多いのですが、これって”アメリカから来た”というより”合衆国の~から来た”というニュアンスが近いと思います。

合衆国というシステムを日本に例えると、こんな感じでしょう。各都道府県はめちゃくちゃ攻め込んだ内容の法律”県憲法”を決められて、各都道府県が独立した軍事力”県兵”を持ち、中央の日本政府は諸外国との外交や戦争のための軍隊をもつに留まる。さあみなさんはどの都道府県に住みますか?日本人が住む場所を決める条件はなんとなく地元が良いからとか仕事だったり食べ物だったり暑い寒いなどがまず思い浮かびますが、これが「東京は大麻が合法」とか「大阪での犯罪は死刑にならない」となると住む場所を決める価値基準が根本的に変わりますよね?一応ですけどここまでは例え話ですので悪しからず、東京・大阪の皆様。

中央政府の干渉をここまで嫌う理由は”イギリスのせい”

だいぶざっくりした歴史になりますが、そもそも合衆国の元になったのが本国からの圧政に不満を持っていたイギリス植民地の13グループです。彼らはイギリスから独立を勝ち取った後、その取りまとめを行う連邦政府の権限をどこまで持たせるのか揉めに揉めました。こうして合衆国憲法4条では「各州のルールでそれぞれうまいことやってくれや」と明言され、州ごとに死刑制度があったりなかったり、消費税が0%だったり、まるでひとつの国家であるような州の独立性が成り立ちました。かつての中央政府イギリスがもっと手緩い植民地政策をやっていれば、今のアメリカの姿は無かったでしょう。

映画スターウォーズがあそこまでウケているのも、帝国軍のモデルがイギリス(パルパティーン皇帝もターキン総督もイギリス発音のイギリス人俳優)であり、それに立ち向かうカリフォルニアなまりバリバリのマークハミル演じるルーク・スカイウォーカーの存在あってこそでしょう。そもそもイギリスの植民地だったのに、あそこまで紅茶の文化が残っていない国もそうそうありません。アメリカ旅行で泊まったそこそこいいホテルで紅茶を頼んだら、ティーバッグを出された経験がある方も多いんじゃないでしょうか。アメリカ人にとっては、独立戦争のときに援護してくれて、自由の女神像をプレゼントしてくれたフランスへの愛着のほうが現代文化に色濃く残っていると個人的には感じます。フライドポテトをフレンチフライと呼んだり、スポーツカーのカマロ(フランス語で”友人”の意味)が愛されていたり、なによりアメリカ人の愛する”自由”をイギリスから勝ち取る手助けをしてくれたフランスは誰よりも特別な存在でしょう。

勝った北軍、負けた南軍、その影響は現在まで続く

“自由”を手にし独立を勝ち取ったアメリカは、どんどん国が大きくなっていきます。すると国内では、”人間の扱いだって自由“といわんばかりに黒人を酷使し生産性を維持する農業経済主体の”南部“と、五大湖周辺で労働力を機械化していった”北部“との間で対立が深まってしまいました。こうして1860年、奴隷解放に積極的なリンカーンが大統領に就任したことで両者の対立は最高潮に達し、奴隷制を維持したい南軍”アメリカ連合国“と、奴隷解放を掲げる北軍”アメリカ合衆国“との間で内戦となり、南北戦争がはじまります。

諸外国の支援や、五大湖周辺の強力な工業力を背景に勝利した北軍でしたが、その内戦の影響は現代にまで引きずっています。GM・フォード・クライスラーを筆頭とした自動車産業、IBM・intel・NVIDIAといった半導体関連企業、そして現代社会を世界的に牽引するMicrosoft・Apple・GoogleのようなビッグIT企業はみなアメリカ北部で生まれましたが、裏を返せば北部と南部で経済的な格差が決定的に広がっていることに他なりません。

別にアメリカ企業として成功したんだからそれでいいだろう、と思われたかもしれません。日本で例えると、トヨタ自動車が世界で成功していればそれでいいだろう、といった感じでしょうが、アメリカにおいて自分の州から遥か遠くでキラキラしている大企業なんて、ニュースを通して観る海外の出来事にすら思えるほど自分から縁遠い存在感でしょう。

だから内戦に負けた南部にはイノーベーションが起きず、停滞したというわけではありませんが、その影響が全くないとも言い切れないのが州経済の奥深さだと思います。

本来はここから政治と宗教に触れるべきなのでしょうが、このサイトはペラペラな教科書サイトではないので、今回はあくまでもゲームのマップを深堀していくうえでの前提知識としてアメリカのかんたんな歴史に触れてみました。日本と合衆国の行政区分の扱いがここまで決定的に違う経緯をご理解いただいたうえで、各州の記事を読んで頂ければ幸いに思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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