【アメリカントラックシミュレーター】ヘビーカーゴパックで貨物ごとに最適なローボーイをえらぼう【DLC】

ATSのDLCコンテンツ「ヘビーカーゴパック」は、多関節ローボーイトレーラーを使って最重量級の貨物を配送するトラックシムならではの重厚長大なカーゴDLCです。

大五りん
大五りん

牽引は重ければ重いほど気合が入るよね!

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しかしこの多関節ローボーイ、とてつもなく長いうえに貨物重量も相まって取り回しに大変苦労するトレーラーです。

右折のたびにポールをなぎ倒し、車線変更のたびに周囲の車両をなぎ払い、やっと目的地に到着する頃には大量のキルマークが刻まれた車両の修理費で赤字確定しつつも、あたまがおかしくなりそうな駐車調整を終えると”遅配”の烙印ですべてを否定される前にお伝えしたいことがあります。「その貨物なら、もっとベストな構成のローボーイがありますよ!」

今回は、全8種類の多関節ローボーイのどれを選べばいいのか“特別な理由が無い限り選ぶのは避けるべき”ローボーイの構成、さらに多関節ローボーイ配送で最もいじわるな例の顧客” X-tech MACHINERY “の攻略法をご紹介します。

“ヘビーカーゴパック” 貨物とローボーイの組み合わせ早見表

軸数写真ヘビーカーゴパックにおける最適な貨物おおまかな積載可能重量
(lb/ton)
特記事項
3軸クローラートラクター
移動式スタッカー
62,000lb/28t
4軸 後関節ケーブルリール64,000lb/29t
4軸 前関節綿花収穫機70,000lb/32tここまで3軸トラクタで余裕♪
5軸4軸前関節と6軸の中間くらい要注意構成
6軸スクレーパー
重ブルドーザー
オールテレーンクレーン
移動式スクリーン
移動式破砕機
90,000lb/41t3軸トラクタだとしんどくなってくる…
7軸6軸と8軸の中間くらい要注意構成
8軸アスファルト切削機
リーチスタッカーシャーシ
97,000lb/44t3軸トラクタの限界を感じる
9軸トランス
リーチスタッカー
123,500lb/56t8×6トラクタ推奨

“5軸”と”7軸”を選ぶ際は注意

早見表を見ての通り、2025年現在のATS ver.1.54では5軸と7軸は運べる貨物の種類が一段下の構成から増えないので注意が必要です。出費を抑えたい方、必要以上に全長が長くなって取り回しに苦労したくない方は避けたほうがよいでしょう。もちろん好みで5軸や7軸を選びたい、何らかの理由でロールプレイしたい方はアリだと思います。

もう新車は買えない!? “多関節トレーラーとの相性最強のトラクタ”はコレ

ピータービルト389ショートシャーシ4軸。個人的には貨物重量が90,000lb/41tを超えたら4軸トラクタをオススメします。

オートマでの運転だとあまり気にしなくてよいかもしれませんが、マニュアル運転だと貨物重量の影響をすごく感じやすいと思います。トラクタ側が3軸だと最上位エンジンと18速の組み合わせで必死に引っ張っても、貨物重量が90,000lb/41tを超えたあたりで息切れを感じ始め、97,000lb/44tを超えると長い坂道で流れに乗る際かなり苦労します。

そこで4軸のトラクタを選ぶことになるのですが、またこれが全長を長く、取り回しを大変なものにしてしまうので「ショートシャーシ」、軸位置は「アクスルバック」モデルに乗ることをオススメします。

トラックは前輪の軸位置で“アクスルフォワード”“アクスルバック”の2種類に大別できます。両者のおおまかな違いはこちらです。

(上)アクスルフォワード(下)アクスルバック
アクスル
フォワード
“axle forward”
=前輪の軸が車体前部に寄っている
→コンベンショナルモデルの大半がコレ
バッテリーボックスや燃料タンクのサイズに余裕ができるホイールベースが長くなる=小回りが利かない後述する連邦法の関係で根強い需要がある
アクスル
バック
“axle back”
=前輪の軸がやや後部に位置している
→ストリームラインモデルの大半がコレ
ホイールベースが短くなる=小回りが利くバッテリーボックスや燃料タンクのサイズに制約が生まれる限定されたエリアや都市部の配送用で人気が高い

正確に比較できる対象ではありませんが、4軸のショートシャーシ構成で完全にハンドルを右に切った状態で回転した場合、両者はざっくりとこのくらい取り回しに差が出ます。

というわけで4軸・ショートシャーシ・アクスルバックが多関節ローボーイに最適な構成だとオススメしたいのですが、残念ながら現在のATSには該当車種がひとつしかありません。

それが“VOLVO VNL 2014″です。さらに残念なことに、もう新車は買えません!私は持ってます!やったね!

欲しい方は中古で流れてくるのを待ちましょう。しかしなぜ、取り回しやすいこうした構成に他のメーカー(しかもVOLVOだけアメリカ企業じゃない)は関心がないのかというと、連邦法にその理由があります。

アメリカのトラックを長大化させている”連邦橋梁総重量公式”

ここからは実際の話になりますが、連邦法では“連続する2つ以上の車軸間の最初と最後の距離”が運搬可能な貨物重量を決める公式において重要な要素となっています。ややこしいですが、ざっくり表現すると「全長が長くて軸数が多いほど重たい荷物運んでいいよ」という内容です。

これはつまり、裏を返せば「全長が短いトラックは重い荷物運んだらダメ」ということになります。この根拠となる連邦法の計算式“橋梁公式”の名の通り、めちゃ重いトラックが橋を渡る際に与えるダメージを軽減するため、トラックの「長さ」が重要になっているのです。

というわけで、連邦法がショートシャーシを冷遇しているので、アメリカのトラックはロングシャーシモデルが充実していて、アクスルフォワードモデルが人気なのです。そしてこれが、日本や欧州で一般的な“キャブオーバートラック”がアメリカから消えた理由のひとつになっています。

初見殺し”X-tech MACHINERY” の壁際配送を攻略する

はじめての多関節ローボーイを必死の思いで走らせ、場所を選ぶせいかまともに休憩も取れてない中でやっと顧客の元に着いたあなたは荷下ろし場を見た瞬間に気絶しそうになります。あまりにも意地の悪い場所に降ろせというこの会社の名前を一生忘れることはないでしょう—“X-tech MACHINERY”

赤矢印の位置が荷下ろし場所。その手前に見える白いコンクリートで囲われた斜面が”いけず坂”になっている。

全ての配送がそうではありませんが、同社の多関節トレーラーの荷下ろし先はこうした構内になっていることが多いです。あと同社以外にもHMSなんかが同様の構内になっているケースがあります。

とにかく注意すべきはこのいけず石ならぬいけず坂です。たぶんなにかを積み下ろしする際に使うんでしょうけど、この角でスリップダメージを受け続けるローボーイの気持ちを考えたことがあるんでしょうか。ローボーイっていうくらいだから多分男の子でしょ、泣いちゃうよ。

かくいう私も泣きました。そして試行錯誤の末ついにこのふざけた壁際配送を一発で決めるメソッドを見つけました。同じように苦労されている方は是非参考にしてみて、同社の検収担当者の鼻っ面をへし折ってやりましょう。条件はもちろん4軸トラクタ+9軸ローボーイの最長構成です。

  1. 構内に入ったら、まず左手の建屋に寄る
  2. 荷下ろしマーカー最後端に対して「7時半」の角度でアプローチを開始する
  3. トラクタの右先端でフェンスをなぞるように進む
  4. トラクタの先端がトレーラーマーカーを超えたらハンドルを左へ
  5. バックミラーに集中してマーカーに合わせる

間違ってもいけず坂に近寄ってはなりません。やつらの思うつぼです。

大五りん
大五りん

切り直しせずに一発で決まると気持ちいいね!

今回の記事はここまでです。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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