【アメリカントラックシミュレーター】トラックの咆哮”ジェイクブレーキ”のサウンドを楽しもう

ホテルマンA
ホテルマンA

駐車係としていろんなお車の音を聞いてきましたが、あの独特なサウンドは一度聞いたら忘れられません……

それが、トラックの咆哮ジェイクブレーキです!!!

↓↓↓ジェイクブレーキでの登場シーンはこちらから↓↓↓

「グッとらっく!!」第1話をよむ

今回は大型トラックの減速手段の中で最も特徴的な、ジェイクブレーキについて学んでいきましょう。

American Truck Simulatorでジェイクブレーキを見てみよう

手っ取り早く見てみましょう。

キーボード上の初期設定では”エンジンブレーキ(B)”を押すと作動します

大五りん
大五りん

左の窓を開けたり(キー割り当て必要)ルーフ視点(キーボード”4″)だとより迫力が増すよ!

この独特な、“怪獣の鳴き声” “マシンガン”のような破裂音、これがジェイクブレーキにしか出せない咆哮なのです。

しかし残念なことに、ATSのなかでその特徴的なサウンドが体験できる車両は限られています。私が確認した限りでは、

・Kenworth W900

・Peterbilt 389

この2車種です。後述しますが、そもそもジェイクブレーキそのものがこの音を出しているわけではないので、上に挙げた車種以外にもジェイクブレーキが搭載されている設定になっているものも中にはあるでしょうが、他はあまりにもお行儀が良すぎるのです。

389もW900と比べるとかなり大人しいですね。

そもそもジェイクブレーキとは?ここを掘り下げていきましょう。

トラックのブレーキについて

トラックを減速させる手段はいくつかある

大型トラックにはいろんな手段のブレーキが用意されており、それをざっくりまとめたのがこちらの表です。

名称構造メリットデメリット
サービスブレーキ
(フットブレーキ)
圧縮空気の力でドラムブレーキを作動させる最も強力な制動力圧縮空気の管理が必要
排気ブレーキ排気ルート上のバルブを閉めて抵抗を発生させるサービスブレーキの寿命が延びる空荷や悪路面で使用するとスリップの危険性がある
リターダー(流体式)エンジンとつながったローターに液体の抵抗を与える補助ブレーキのなかでは特に強力液体が熱を持つので冷やさないといけない
エンジンブレーキ機械の摩擦や吸排気によるエネルギー損失特別な装置がいらないディーゼルエンジンは効きが弱い

排気ブレーキのデメリットとしてスリップの危険性をあげましたが、リターダーやエンジンブレーキも同様の危険性があります。

これは駆動輪にだけ強い制動力が掛かることで、それ以外の操舵輪やトレーラーの車輪との間でギャップが発生することが原因です。ちなみに私はバイクで高速道路を走行中にエンジンが焼き付いて後輪がロックし人生に死亡確定演出が入ったことがあります。生きててよかったですね。

話を戻しますが、ジェイクブレーキはこの中だとエンジンブレーキの仲間にあたります。ではジェイクブレーキとは具体的にどういったものなのか、見てみましょう。

ジェイクブレーキのしくみ

ジェイクブレーキの正式名称は“Jacobs Engine Brake”といって、現在は米カミンズ社の子会社であるJacobs Vehicle Systems社の登録商標です。ジェイコブスさんが作ったエンジンブレーキの略称としてジェイクブレーキと一般的に呼ばれていますが、機械用語としては「圧縮開放ブレーキ」と呼ばれています。

一般的な4ストロークディーゼルエンジンは、

1.吸気2.圧縮3.燃焼4.排気

の工程をおこないますが、この2番目の圧縮工程でギュウギュウにした空気を、

排気バルブを開くことで一気に開放します。これによってトラックは減速します。

ん?これでトラックが減速?といわれてもあまりピンとこないかもしれません。

では、解放しなかった場合(通常のサイクル)、圧縮された空気はどうなるか想像してみましょう。

圧縮された空気は、空気のバネとなって強い反発力でピストンを押し返し、さらに燃焼によって膨張することでピストンを通じてエンジンにエネルギーを戻します。つまりエネルギーのラリーはエンジンのなかでおこなわれます

ですが圧縮された空気を一気に開放すると、その圧縮時にたくわえたエネルギーがエンジンの外に放り出されます。つまりエンジンで生み出したエネルギーが一方的に外へ出ていくので、どんどん出力が落ちていき、トラックが減速していくのです。

この解放された空気が強烈な衝撃波を生むことで、あの独特な破裂音を奏でるのです。それだけ強大なエネルギーをエンジンから放出している、ということですね。

【ちょっと寄り道】歴史に消えた圧縮開放ブレーキ”ダイナタード方式”

1960年代、日野自動車が商業車の研究でアメリカを訪れた際に採用が検討された圧縮開放ブレーキが、米MACK社が開発した”ダイナタード(Dynatard)方式”でした。しかしその内容が複雑でコストがかかることから採用は見送られ、今となってはMACK社自身も採用していません。エンジンヘッドとバルブカバーのあいだにボルトオンで装着できるジェイコブス式に比べ、ダイナタード式はロッカーアームにも工作が必要な点が敬遠されていたようです。マック愛好家が集うコミュニティをのぞくとチラホラとダイナタードに触れている書き込みが見つかりますが、その評価についてもいまひとつな内容が多いように感じられます。

ジェイク、申し訳ないけどこの街は出禁です、、、

冒頭でジェイクはお行儀が悪いと述べましたが、実はアメリカの都市部では、ジェイクブレーキの使用が禁止されている地域が多く存在します。はっきりと、「NO JAKE BRAKE」と名指しで禁止されています。

ジェイクブレーキを禁じる標識の一例

理由はシンプルにうるせえからです。悪いけど、他の補助ブレーキを使ってくれと。これに開発元のジェイコブス社はすごく怒っていて、そもそも現在のジェイクブレーキは適切なマフラーなどの後処理を組み合わせればかなり騒音が抑えられるのに「”NO JAKE”って書いてあったら企業イメージ下がるからやめてくれ」と行政側に抗議しました。その結果、今では「NO ENGINE BRAKE」という表記が大半を占めています。

ワイオミング州ジレットの州道59号線に掲げられた標識。住宅地や音に敏感な家畜が多い牧畜業の盛んな地域で見られる。
ホテルマンA
ホテルマンA

申し訳ありませんお客様、ジェイクブレーキのご使用はご遠慮ください。

大五りん
大五りん

ごめんなさい、、、次は静かに来ます。

支配人
支配人

静かでも来ないでください。

今回はここまでです。最後まで読んで下さりありがとうございました。

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